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企業型DC(企業型確定拠出年金)から日本人のマネーリテラシーを読み解く

「つみたてNISA」で資産運用を開始して早2年が経過しました。運よくコロナショック後の株価バブルに乗り、今まで銀行口座でただ眠っているだけだった資産が徐々に成長しており、資産運用の効果・価値を実感しています。

筆者はサラリーマンで、勤め先は「企業型確定拠出年金制度」を導入しています。資産運用に興味を持ち、改めて制度を見直してみると、「日本人の投資マインドの変化」が見えてきました。

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企業型DC(企業型確定拠出年金)から日本人のマネーリテラシーを読み解く

企業型DCとは(iDeCoとの違い)

確定拠出年金は、拠出した掛金およびその運用益の合計額が将来の給付額となる年金制度で、「企業型」と「個人型(iDeco)」の2種類に分かれています。「企業型」は、一般的にサラリーマンと言われるような、企業に勤めている人が対象となる制度で、その企業が企業型確定拠出年金制度を導入していれば、運用することができます。

2021年3月末時点、企業型DCは全国38,328社が導入しており、加入者は約750万人になります。(厚生労働省「確定拠出年金の施行状況」より)

昨今、NISA制度とともに話題になっている個人型(iDeCo)の加入者数が約200万人ですので、企業型DCはiDeCoの3倍以上の加入者がいるということになります。

下図は、厚生労働省HPの制度概要を抜粋したものです。

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企業型DCのメリット3つ

企業型DCには大きく以下3つの税制上のメリットがあります。

  1. 掛金は事業主が拠出/マッチング拠出は所得控除
  2. 運用益は非課税
  3. 受取り時は各種控除の対象

1つ目は、掛金は事業主が拠出してくれるという点

自身の将来の年金となる原資を拠出金としてもらうことになるわけですが、あとは運用次第で「増やすも減らすもあなた次第」というのが企業型DCです。資産運用の原資を会社が出してくれるというのは、不思議とお得感を感じます。

会社によっては、会社が拠出する掛金に加入者本人が上乗せして拠出する「マッチング拠出制度」があり、加入者自ら増額するマッチング拠出分(限度額あり)は全額所得控除となるというメリットがあります。

2つ目は、運用益が非課税であるということ

確定拠出年金は60歳以降に受け取ることが出来る制度のため、運用期間は長くなります。その分、複利効果による大きな運用益も期待できますが、非課税で運用できるというのが魅力です。

3つ目は、受取り時も控除対象となること

年金として受け取る場合は公的年金等控除。一時金として受け取る場合は退職所得控除となります。

2022年から「企業型DC」×「iDeco」の併用も可能に

現在、企業型DCとiDeCoも併用は、所属企業の合意が必要となり、併用が実現している企業数は限られています。コロナショック後、iDeCoによる資産運用を検討したものの、会社の規定上できなかったというサラリーマンも多いはずです。

しかし、2022年10月からは、以下表の条件下であれば、企業型DCの加入者でも原則iDeCoに加入できるようになります。企業型DCのマッチング拠出制度を活用している加入者は、引き続き、企業型DCとiDeCoの併用はできません。

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企業型DCの活用実態

実際に資産運用できているのは10人中4人

筆者が務める会社では、J-PECという運営管理機関で企業型DC制度を運用しており、定期的にJ-PEC全体の実績を確認することができます。

2021年12月末時点の、加入者の運用益の分布は下図の通り。

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運用益がマイナスに転じている加入者も若干数いますが、これは制度加入して間もない新入社員などではと推察します。

資産運用において、十分に運用益が出ていると評価できるラインは5%ほどと仮定して、5%以上の運用益が出ている加入者は全体の41.1%という状況でした。一方で、元本保証型に加入し、貯金同様の運用(運用益0%代)となっている加入者が全体の33.8%でした。ちなみに、運用益上位20%の加入者の平均運用益は14.78%でした。

「貯蓄」から「投資」に思考が変化

運用商品のポートフォリオを確認すると、企業型DCにおける投資マインドの変化が見ててきます。下図は、J-PEC全体のポートフォリオで、2020年12月末時点と2022年12月末時点を比較したものです。

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2020年12月末時点では、元本確保型が全体の47.0%を占めていましたが、約1年が経過し、元本確保型は41.0%(▲6.0%)に、外国株が18.0%(+5.0%)となっています。

企業型DCの拠出金を、貯金として運用するのではなく、株式で運用する人が増えてきていると推察できます。

上位20%は「国内株」から「外国株」にシフト

下図は、運用益上位20%の加入者のポートフォリオの比較です。

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まずもって、運用益上位20%の加入者は元本確保型の配分率は極めて低く、その大半を株式に投じていることがわかります。更に過去1年で、外国株の比率が+12.0%とアップし、国内株は▲9.0%と縮小していることがわかります。

上位20%の加入者は、投資の知識を一定持ち合わせていると思いますので、将来性を見込んで外国株にシフトしているのだと推察されます。

企業型DCは、自分自身で将来の退職金を運用する制度ですので、運用益上位20%の加入者のポートフォリオを参考に、改めて自身の選択した商品を見直してみてはいかがでしょうか。筆者は、掛金のほとんどを外国株式インデックスファンドに投じています。

まとめ

企業型DC(企業型確定拠出年金)は、個人型(iDeCo)と対をなす年金制度で、加入者数はiDeCoの3倍以上の約750万人です。

税制メリットや制度内容を正しく理解し、自ら購入商品を選択して運用していく制度であり、実際に運用益を出しているのは全体の約4割です。一方で、運用次第で将来の資産を増やせる可能性があるにもかかわらず、貯金同様の運用(運用益0%)になっている加入者が約3割いるというのが現状です。

しかし、2020年から2021年の1年間で、「元本保証」→「株式投資」というポートフォリオの変化が見てとれましたので、少しずつですが、資産運用について見直す人が増えてきているということがわかりました。

企業型DCは、運用商品の変更や拠出額の割合の調整などいつでもできるので、「自分の将来の年金が今どんな状態になっているか」というのを定期的に確認することが大切です。