最近、資産運用で何かと話題の「つみたてNISA」。興味はあるけど、本当に大丈夫なのか、どれくらいの人がやっているのかなど、気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、先日金融庁が発表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(2021年3月末時点)」から、「つみたてNISA」の動向を簡単にまとめてみます。
「つみたてNISA」を検討している方、既に始める方の参考になれば幸いです。
- 【つみたてNISA】金融庁発表の「NISA口座の利用状況調査」をグラフ化してみた
- NISA(一般・つみたて)口座数の推移
- つみたてNISAの口座数推移
- つみたてNISAの年代別買付額
- つみたてNISAの1口座当たりの買付額単価
- まとめ
【つみたてNISA】金融庁発表の「NISA口座の利用状況調査」をグラフ化してみた
参照したのは、金融庁が四半期毎に発表する「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」。
一般NISAがスタートした2014年から定期的に調査結果が公表されており、NISA制度の国内での普及具合を知ることができます。
2014年1月開始の「一般NISA」、2016年1月開始の「ジュニアNISA」、2018年1月開始の「つみたてNISA」のそれぞれのデータを確認できます。
NISA(一般・つみたて)口座数の推移
NISAの一般・つみたてを合算した、過去6年の総口座数の推移を見てみます。
つみたてNISAは2018年1月から制度開始しており、まだ経過年が浅いため、2014年から開始した一般NISAも含めて可視化してみます。(つみたてNISA単独の履歴は後述)
現在、総口座数は1,586 万 132 口座 となっており、2015年から1.6倍に増加しています。
総務省統計の20歳以上の日本人人口は約1億274万人(2021年2月時点)ですので、6.4人に1人がNISA口座を開設しているという計算になります。
NISA(一般・つみたて)口座数の年代別推移
NISAの一般・つみたてを合算した口座数の年代別比率の推移の表です。
2018年以降の口座数増加のメインは「つみたてNISA」であり、特に20~30歳代の伸びが顕著になっています。
2020年12月末~2021年3月末のわずか3カ月間で20~30歳代の比率が+1%上昇しており、今後も伸びていくのではないかと思われます。
つみたてNISAの口座数推移
「つみたてNISA」に絞って直近1年の口座数推移を見てみます。
2021年3月末時点で、口座数は約316万5,000口座となっており、2020年6月末以降、口座数は1.5倍(+117万口座)に伸びています。
コロナ禍で資産運用について関心が高まり、急激に口座開設が増えていることが見てとれます。
2020年12月末対比で、20歳代(+21.7%)、30歳代(+24.3%)の増加が顕著です。
つみたてNISAの年代別買付額
2021年3月末時点の「つみたてNISA」の年代別買付額は表の通り。
2020年12月末対比での増加率は、60歳代が+32.0%と最も高く、次いで20歳代(+25.3%)、30歳代(+20.4%)となっています。
60歳代の買付額の増加は、資金に余裕があるため、一人当たりの買付額が高いのだと思われます。(つみたてNISAは年間40万円が限度)
60歳代に続いて20~30歳代の買付額が増加しているというのは、それだけ若年層が資産運用について真剣に考えているということだと思います。
つみたてNISA買付額の年代別比率を円グラフにすると以下の通りで、20~40歳代が全体の67.3%を占めます。
つみたてNISAの1口座当たりの買付額単価
買付額から口座数を単純に割り、1口座当たりの買付額単価を算出しました。
総平均で、1口座当たり24万9,292円
買付額単価でみると、70歳代が最も高く30万466円、40歳代が27万9,728円、50歳代が27万4,366円と若年層よりも高くなっており、投資に回せる原資の差が見てとれます。
60歳代がガクッと少ないのが気になりましたが、60歳代は一般NISAの買付額が約6兆1,500億円と年齢別で最も高く、一般NISAが主流になっているのだと思われます。
まとめ
NISA制度について、とくに2018年から制度開始した「つみたてNISA」がここ1年で口座数が伸びており、特に若年層(20~30歳代)が資産運用に関心を高めているということがデータでわかりました。
しかし、投資の原資は年代が高いほど余剰があるため、買付額は高い年代が高いという結果になっています。